哲学の並木道

自分のための自分語りブログ

さよならポケットモンスター

ポケモンがずっと大好きだった。

ずっと悲しい気持ちが拭えなくて、いつまでもTwitterのTLを汚してしまいそうだから、ここに吐き出してしまう。

今のポケモンが好きな人は読まないでね。

  

 

出会い

当時の家庭環境は最悪だった。私一人だけが家族として扱われず、娯楽も一切与えられなかったので、一人自室で絵を描くことで空想の世界に逃避し、心の安定を保っていた。

 

ポケモン赤緑が大流行した頃、テレビも漫画も触れる機会のない私は、クラスメイトより少し遅れてポケモンと出会った。当時9歳。

現実とは違う、不思議な生き物と仲間になれる世界。みんなが思い思いのポケモンを仲間にする、自分だけの物語。

こんな世界に行けたらいいな。こんな強くてかわいくてかっこいいモンスターと仲間になりたいな。

 

それは、私の空想の世界をより鮮やかにした。

オーキド博士の言葉の通り「夢と冒険の世界」だった。

 

当然ゲームなど買ってもらえないので、友達に緑や銀を貸してもらったり雑誌の付録のシールを見せてもらったり、なけなしのお金でフィギュアのガチャガチャを回したり、夢中になってポケモンを楽しんだ。

当時はシャワーズフリーザーが大好きだった。

殺伐とした現実で、ポケモンは夢を与えてくれて、心の支えになった。

 

思い入れ 

大人になってからは、自分が世界の主人公でないことを知って、主人公を自分に重ねる気持ちは薄くなっていったが、ポケモンを探し歩いたりお世話したり戦ったりするとき、間違いなく自分は主人公としてポケモンと共にいた。

 

私はずっと、ポケモンを「意思を持ち、自分と一緒にいてくれるもの」と感じていた。単なる架空のキャラクターとは思えなかった。

初代ではなつき度というパラメータこそなかったものの、自分がライバルを打ち負かしてチャンピオンになれた理由を「愛情と信頼」だとオーキド博士は言った。一緒に旅してきた仲間との関係を讃えられて嬉しかった。

金言ではなつき度システムが採用されて、一緒に旅をすればするほど、ポケモンがそれに応えて心を開いてくれるという変化が嬉しかった。

私はゲームの主人公ではないし、現実にもポケモンは存在しないけど、心には自分だけの物語があった。

 

ポケモンがいる生活は、想像するだけで楽しかった。 

どんなに仕事で疲れて、どんなに人間関係で寂しい想いをしようとも、パートナーであるポケモンがいてくれれば救われるのになあ。

ミロカロスが一番好きだけど、実際に一緒に住むとなれば大きな水槽か湖のほとりの一軒家か、どちらにせよ環境を用意するのが大変だから、現実的に考えたらリリーラぐらいがちょうどいいのかな、なんて考えていた。

ポケモンのことを考えると、気持ちが暖かくなった。

ポケモンは私にとって希望であり、共に育った幼馴染のような存在だった。

 

ORAS

私がもっともやり込み、廃人プレイに目覚めるきっかけとなったRSE。一番好きなポケモンであるミロカロスや、一番好きな人間キャラであるツワブキダイゴが登場する、思い入れの強い作品。

そのリメイクということで、期待しないはずがなかった。

オメガルビーアルファサファイア、ダブルパックで予約した。

 

結果、釈然としない気持ちを抱えたまま、シナリオをクリアした。

ネットで話題にされる事を狙ったかのような黒い要素、カガリとウシオのきわどいキャラ付け…そして何より、エピソードデルタでポケモンの生体エネルギーを利用する悪徳企業に改変されたデボンコーポレーションおよびツワブキ親子。

 

違うよね、ツワブキ親子はそんなキャラじゃないよね。ツワブキ社長はゴニョニョのためにカナシダトンネルの工事を取りやめたし、ダイゴさんはポケモンと人々を守るために一緒に戦ってくれたよね。

それも、並行世界だから別人というのだろうか?

 

あの頃の冒険が、純粋に好きだった気持ちが、裏切られた気がした。

 

だけど、RSEがベースなだけあって冒険は楽しかったし、コンテストや秘密基地、図鑑サーチはワクワクしたし、友達に勧められて始めた対戦は面白かったし、まだポケットモンスターという作品を好きでいられた。

 

思えばこの頃から、作中でガブリアスナイトでフライゴンいじりネタに便乗したり、Twitterヌマクロークソコラグランプリに便乗したり、公式が雑にポケモンを扱う予兆はあったけど、その頃はまだ事の重大さに気付いていなかった。

 

ダブルパックで買ったもう1本のアルファサファイアは、まだ開封していない。

 

サンムーン

ORASの件があったことと、公式の情報公開があまりにも多すぎて楽しみに思えなかったことから予約は見送った。

発売1ヶ月後、TLでは信頼する古参プレイヤーたちがこぞって絶賛していたので、きっと良作に違いないと期待して購入した。

 

残念ながら、私の口には合わなかった。

立派なことは言うけど何もしない、何もしないのに持ち上げられる、ぽっと出の人間の女の子を中心として進むストーリーに耐えられなかった。

主人公の存在意義が全く感じられず、ただただリーリエの意のままにリーリエの邪魔者を倒すだけの旅。

表情豊かなリーリエに対して主人公の表情差分が一切なかったことも、主人公が意思を持たない武器扱いのように感じられてつらかった。

 

そして謎に黒くてグロいポケモン図鑑

グロ要素やホラー要素は昔からあったという意見を見るが、ポケモンの恐るべき能力を描写するのと、必要以上にマイナス面を誇張して描写するのは違うと思った。

さらにはポケモン図鑑だけでなく「公式が病気wwwww」とでも言われたそうな小ネタの数々や公式の振る舞いに嫌気がさした。

 

Twitterでは「初代プレイヤーにこそ気に入ってもらえるはず」「今作の図鑑は毒が効いてて面白い」と肯定的な意見を多く見た。

愕然とした。このゲームが駄作なんじゃなくて、自分がついていけてないだけなのか。

悲しいけど、自分はもうこのゲームのターゲットから外れたのだ。批判は控えて、黙って身を引こう。

 

それから、それまでの生活が嘘のように、ぱったりとポケモンに関わることをやめた。

グッズも一切買わなくなったし、二次創作すら見なくなった。

 

 

初めて、殿堂入り前にポケモン本編のソフトを売った。

 

ウルトラサンムーン

たまたま、過去作を題材にした素晴らしい二次創作漫画を読んだことで、過去作やポケモンのことはやっぱり大好きだし、好きだった気持ちは大事にしていこうと思った。

そう思った矢先にウルトラサンムーンが発表された。

サンムーンを好きになれなかったので、続編が来てもマイチェンが来ても好きになれないだろうと思って、とりあえず情報収集だけはした。

 

ポケモン図鑑もリーリエ劇場も過去設定崩壊も余計に悪化してた。

 

「世界一美しいポケモンといわれる」設定のミロカロスが、図鑑で「ヒンバスの姿が好きなトレーナーからすると微妙らしい」と書かれた。

 

キャラクターの魅力で大きくなった会社が、キャラクターを大切にしなくなったら何も残らない。

あえてポケモン好きは雇わないと公言しているが、愛情も思い入れもない人たちにこれ以上過去の素敵なキャラクターを汚されたくない。

もう見てられない。つらい。ゲームフリーク倒産してほしい。

 

 

お別れをします。

さよならポケットモンスター

願わくば、愛に溢れた作り手によって蘇ることを願って。